聞く。
ずっと電池切れで動いていなかった、ちっちゃな置き時計があって、
最近何年ぶりかに、電池を入れて動かしてみました。
まぁ、普通に動いてくれて。
アナログ時計なので、1秒ごとに「カシャ カシャ」って秒針の動く音がします。
ちっちゃな頃は、この音が気になって、なかなか眠れないときもあったけど、
いまや、心地よくすら感じています。
何ででしょうね。ノスタルジックだからでしょうか。
思えば、24歳の自分が言うのもおこがましい話だけど、
子どもの頃は、環境音を聞く時間のほうが、圧倒的に多かったんだな、と。
「人工的」な音を聞くことは、テレビとカーステレオ、あと、据え置きのでっかいCDプレーヤーぐらいで。
夜になると、そこらへんはすべてシャットアウトされるから、物音をずっと聞いて
過ごしていたような気がする。
時計の音を良く聞いていたのもそうだし。
足音と物音で、家族が今何しているか、布団に包まりながらよく予想していた。
それと、無音をずっと聴いていると、「キーン」っていう音、するよね、って会話を友達として、共感してもらえたこと、何度かあったなぁ。
何も聞こうとしなくても、音は流れているんだということを思い知ります。
何かを聞こうとするとき、何か音を流そうとするのは、
ある意味、オトナの病気なのかもしれませんね。